ラオスのラオ子。

美味しいものと音楽と、あたたかな手仕事と。青年海外協力隊2018年度3次隊コミュニティ開発隊員の活動記録兼ラオス情報。一時退避中につきラオ語講座絶賛開催中です。

ラオ語読み書き講座 実践③曜日 前編

ສະບາຍດີ

こんにちは!ラオスのラオ子です。

 

最近、この自粛期間を利用してオンライントークイベントを始めました。NPOに務めている大学の同級生の厚くて熱いサポートと、快く引き受けてくれる隊員たちに感謝しながら、楽しく準備させてもらっています。

 

これからのキャリアの選択肢として協力隊への参加を考えている学生の方や、現地での生活や活動に興味を持ってお話を聞きにきてくださる方、いろんな方に聞きに来ていただけて本当に嬉しいです。私自身、「国際協力」って入り口も出口も考え方もひとつじゃないんだなって隊員になってみて初めて気がついたので、協力隊への参加を考えておられる方にひとつでも多くのストーリーをお届けできればいいなと改めて思いました。

 

このブログはポートフォリオみたいに自分の活動記録をまとめていく場所にしたいと始めましたが、こまごましたことまで纏めきれずにそのままになっているので、これを機に少しでも書き残していこうと思います。

 

さて前回、前々回と数字の読み書きを勉強しましたが、これを参考にしてくださっている方は、内容についてこれましたでしょうか。結構ボリュームがあって大変だったかと思いますので、今日はちょいとばかし軽めのをご用意しました。

 

 

「今日は何曜日?」

 

 

 

突然ですが、「今日は何曜日?」をラオ語で聞くには、次のように言います。

 

ມື້ນີ້ແມ່ນວັນຫຍັງ?

 

まだ単語や文法は理解できなくても、今まで勉強してきた内容から”発音”はできるようになっているはずです。

 

とはいえ、説明ばかりでまだまだ演習が足りないと思います。ひとつずつクリアしていきましょう。

 

①音節で区切る

 

ມື້ນີ້ແມ່ນວັນຫຍັງ?

 

この1文をどこで区切れるかを、まずは考えていきましょう。

 

区切るポイントは「末子音」です。

 

ມື້ນີ້ແມ່ວັຫຍັ?

 

末子音の部分を赤字にしてみました。

 

ມື້ນີ້ແມ່/ວັ/ຫຍັ/?

 

ということは、/で区切ったところは音節の切れ目になります。

 

次に、それ以外も音節がないか見ていきましょう。

「音節」についての説明は前にもしましたが、最低限1音節に必要なセットは、「子音と母音」です。それ以外にも、

 

子音 (+二重子音) + 母音 (+末子音) (+声調)

 

という風に、カッコ書きの要素がプラスされる場合もあります。これらの要素も、発音するために必要なひとかたまりです。つまり、

 

ມື້/ນີ້/ແມ່/ວັ/ຫຍັ/?

 

 こんな風に線が入ります。

ມື້ も ນີ້ も、子音+母音+声調 という組み合わせの音節です。

 

音節、つまり単語となりうる最小単位まで区切りましたが、これらがどこで区切られて、どこが組み合わさって「単語」になるかという点には、規則性がありません。ラオス生まれのラオ語は1音節語であることが多く、サンスクリット語やパーリ語からの借用語は2音節以上になることが多いそうですが、私も未だに省庁が出すような文書はほとんど読めません。1文がめちゃめちゃ長いうえに、どこで区切って1単語にしたらいいかすらよくわからないのです。私はその対策として、あえて紙の辞書で引いて、はじめの1音節を引いたあと、その次の音節と繋がった言葉がないかを探します。

 

もしも、ながーい文章を読む機会がやってくるのならば、とにかく単語をたくさん覚えて、ひとつでも多く確かな場所で区切れるようにするしかないと思います。先生に言われたときは「そんなばかな...」と絶望しましたが、実際やってみてそういう結果にいきつきました。つまりは、言葉を、たくさん覚えましょう…!!

 

②単語の意味を調べる

というわけで、頭から順に音節の意味を見つつ、今まで通り声調規則のチェックもしていきましょう。

 

それぞれの母音・子音の読み方と、声調規則、そろそろなんとなく理解できてきましたか?発音できるようになるにはとにかく子音と母音を暗記すること、そして声調規則を理論と耳と口で覚えるしかないので、ひたすら数をこなしていきましょうね!! 

 

スクロールする前に、まずは自分でやってみてください。

 

ມື້/ນີ້/ແມ່/ວັ/ຫຍັ/?

 

これら5音節、それぞれの発音と声調規則、紙に書いてみてくださいねー!発音規則に関しては、実際に話しながら「この単語は①の中平調で・・・」なんてことをやっているわけではもちろんないんですけれど、最初に数をこなして足腰鍛えておいたら「何で通じないんだ!!うぉぉおおおお!!!!」っていう事は少なくなると思うので、あきらめずにひとつひとつ確認しておきましょう。

 

ちなみに私は、間違ったことをここに書かないようにするために、PCの画面に発音規則表の付箋を貼ってます...(笑) 

 

では、いきましょう! 

 

ມື້ 日

<発音>

ມ (m) + xື (ɯɯ)  → mɯɯ

 

<声調規則>

頭子音:  ມ (m)  → 低子音

音節分類: xື (ɯɯ)  → 平音節

声調:  x້ → マイトー

よって声調規則は③下降調

 

これは単に「日」という意味を持つだけでなく、「~日」と数えるときにも使います。その場合は、

 

15日 → 15ມື້

 

と書きます。

 

ນີ້ これ

<発音>

ນ (n)  + xີ (ii) → nii 

 

<声調規則>

頭子音: ນ (n)   → 低子音

音節分類: xີ (ii) → 平音節

声調:  x້ → マイトー

よって声調規則は③下降調

 

ラオ語には2種類の指示詞があります。

ນີ້ これ

ນັ້ນ あれ・それ

 

そして、ラオ語の修飾関係は以下のようになります。

 

被修飾語+修飾語

 

たとえば、「暑い・日」はラオ語では「日・暑い」となり、日本とは語順が逆になります。

 

ですので、厳密にいうとこの指示語は、前の語句「ມື້」を修飾しますが、「ມື້ນີ້」は「今日」という意味として一塊で覚えましょう。

 

 

ແມ່ນ be動詞(A=Bである)

<発音>

ມ (m)  +  ແx (ᵋᵋ) +  ນ (n) → mᵋᵋn  

 

<声調規則>

頭子音: ມ (m)  → 低子音

音節分類:  ນ (n) → 平音節

声調: x່  → マイエーク

よって声調規則は①中平調

 

「〇〇は××です」という文をつくるとき、「は」の部分にあたるのがこの「ແມ່ນ」です。このように、主語について説明するときに使われる文のことを「名詞述語文」と言います。

 

名詞述語文にはいくつか種類がありますが、ແມ່ນは「ABである」の場合に使われます。

 

もう少し細かくいうと、

・AとBの価値が等しいとき

・AとBが一致しているとき

・AとBが相当しているとき

のときに使われます。

 

名詞述語文には他にも種類がありますが、訓練所の教科書には「be動詞」と書かれていて、確かに英語でいう「am, are, is」に相当するような使い方をしています。名詞述語文よりもイメージつきやすいかなと思いますので、今後ແມ່ນは「be動詞」と呼ぶことにします。

 

 

今までの説明を統合すると、

 

「ມື້ນີ້ແມ່ນວັນຫຍັງ?」は「今日はວັນຫຍັງ?」ということになりますね。

 

残りの「ວັນຫຍັງ?」の部分も見ていきましょう!

 

ວັນ 日

<発音>

ວ (w) + xະ (a) +  ນ (n) → wan

もう覚えましたか?短母音のaのうしろに末子音がついているので「xັx」の形に変化していますね!

 

<声調規則>

頭子音: ວ (w)   → 低子音

音節分類: ນ (n) → 平音節

声調: なし

よって声調規則は④中高調

 

これも「日」です。

 

15日 → 15ມື້  もしくは 15 ວັນ

 

どちらも正解です。

 

「ມື້」は、昨日、今日、明日、〇日前、〇日後、などを表すときに使いますが、こちらの「ວັນ」は、曜日や、誕生日、〇〇記念日など、特定の日を表すときに使います。

 

それから、「3日目」は「ວັນ ທີ  3」と書きます。

 

ຫຍັງ 何

<発音>

ຫຍ (ny) + xະ (a) +  ງ (ŋ) → nyaŋ 

xັx・・・大丈夫ですね!

 

<声調規則>

頭子音: ຫຍ (ny)    → 高子音

音節分類: ງ (ŋ) →  平音節

声調: なし

よって声調規則は⑤上昇調

 

これは疑問詞の「何」です。

 

英語の場合は、What, who, how などの疑問詞は文頭にきますが、ラオ語の場合は相手に聞きたいこと(分からないこと)の部分にそのまま置きます。

 

ມື້ນີ້ / ແມ່ນ / ວັນ←ຫຍັງ/?

 

今日 / = / 日←何?

 

右向きの矢印は、修飾関係を示しています。

 

被修飾語 ← 修飾語 (例:着物 ← 美しい = 美しい着物)

 

ということは、「今日は何の日(何曜日)?」という文になります。

 

もう一度聞いてみましょう。 

 

 

どうでしょう、最初に聴いたときよりも、単語の意味や音節の切れ目を想像できるようになりましたか?

 

以上です!

 

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先輩隊員と親子にしか見えない、ムーイ族の生産者さんの村で織られた布。「布は天然染色がいいんだ、ケミカルは偽物だ!伝統の敵なんだー!!」ってなんでか決めつけてたけど、このビビットな色使いで表現された世界観見て、「なんやこれめっちゃ素敵!!表現のひとつやん。どっちも大切にしてったらええやん!!!!」って思ったのでした。持って帰ってきたけどまだハサミを入れられない1枚。

 

さてさて、今日は5つの新しい単語と、それを繋いだ文をどう読んでいくかについても説明しました。

 

現地の人たちと専門的な話をしたり、長文をスラスラ読めるようになるのは長く険しい道ですが(私はまだその道がどこかも分からないぐらいの場所に居ます・・・)、まずはひとつずつ単語を読めるようになりましょう!

 

今日はここまで!ちょっとずつ頑張りましょう~!