ラオスのラオ子。

美味しいものと音楽と、あたたかな手仕事と。青年海外協力隊2018年度3次隊コミュニティ開発隊員の活動記録兼ラオス情報。一時退避中につきラオ語講座絶賛開催中です。

ここだけは行ってほしい!!シェムリアップの激熱スポット~観光編~

すぉすだいちゅなむたまい!!

カンボジア語で「あけましておめでとう」です。ラオ語では「さばいでぃーぴーまい」と言います。

 

皆さま、あけましておめでとうございます。ラオスのラオ子です。相変わらずのぼちぼち更新ですが、今年も自分の活動記録&ラオスのこと、協力隊のことをぼちぼち発信していきたいと思います。どうぞお付き合いください。

 

さて、この年末年始は、JICA海外協力隊の「任国外旅行」という制度を使って、シェムリアップにプチ帰省&バンコクでシティを堪能してきました。

 

任国外旅行というのは、JICA海外協力隊として派遣されている2年のあいだに、1年20日を限度として海外に行ける制度です。私たちは現在緑色の公用パスポートでそれぞれの任地に赴任していますが、協力隊の規定により訪問できる国は限られています。日本に帰る人もいれば、他の国の隊員に会いに行ったり、普通に観光しに行く人も居たり。どう使うかは人それぞれです。

 

私がラオスに赴任したときは、まだラオスからカンボジアへの渡航は許されていませんでした。2018年の6月に、協力隊の2次面接で仲良くなった二人と一緒にカンボジアに行ったとき、3年は行けないと思ってものすごく悲しい気持ちで帰ったのですが、2019年10月に改正されて渡航可能に!!赴任当初から、年末年始はどこかしらへ旅行へ行く予定をしていたので、協力隊の期間は行けないと思っていたカンボジアに行く事にしました。

 

カンボジアは、就活で初めて行った途上国です。空港から街に向かうトゥクトゥクで「この街が好きだ」と確信し、勝手に第2の故郷だと思っています。2年間住んで、大好きにも大嫌いにもなったけど、結果として今はそのどっちもが自分の財産になっている、そんな街です。

 

今回は、そんなシェムリ大好きの私がおすすめする、シェムリの激熱スポットについてご紹介したいと思います。できるだけ絞って紹介したかったのですが、ひとつ紹介しようと思ったら枝葉がつきすぎてあまりに長くなりすぎたので、まずは観光編からご覧ください!

 

観光その①アンコールワット

 

こちらの写真は、2020年1月1日元旦、雲一つないアンコールワットの初日の出です!ありがたや!!!

 

シェムリアップといえばアンコールワット。ここへ行かずしてどこへ行く!な、言わずと知れた観光名所。もう何回行ったかわかりませんが、それでもシェムリを訪れたらやっぱり毎回行きたくなるのがアンコールワットなのです。

 

元旦の初日の出は、観光客がとにかく多くて道もチケット売り場も混むため、ホテルを出たのは4時半でした。そこから顔写真つきのチケットを買い、アンコールワットに向かって、まだ真っ暗な中敷地内へと歩いていきます。段差が多く危険なので、懐中電灯かスマホのライトで照らしながら歩くのを強くおすすめします。また、どんな季節も日がのぼるまでは肌寒いので、トゥクトゥクで行く場合は羽織るものがあったほうが良いでしょう。

 

チケットの価格は、2020年1月時点で1日券37ドル。そのほか3日券、7日券と全部で3種類あり、共通のチケットで行ける遺跡がアンコールワット遺跡群以外にもありますので、無駄のないようにプランを練ってチケットを購入されることをおすすめします!

 

アンコールワット遺跡群はほとんどが東向きですが、アンコールワットは西向きに建てられた遺跡ですので、午前中は逆光になります。カメラ好きには少々惜しい感じになりますが、午後に行くよりも人がすくなくてゆったり見れるので、朝日を見たあと涼しいうちに寺院内を見るのが私の定番のまわり方。

 

 

アンコールワット遺跡群は、クメール王朝時代に建てられた寺院群のひとつです。この王朝は9世紀から15世紀まで続き、現在のラオスやタイにも領土を広げたため、同じクメール様式の寺院がラオス南部のチャンパサック県にも残されています。

 

200m弱の環濠(お堀)にかけられた西参道の橋は現在修復中。その横にある迂回用の橋を渡った先にある塔門を抜けると、アンコールワットへづづく長い参道が姿をあらわします。

 

参道の両端にはナーガ(蛇の神様)。その間を突き進んでアンコールワット内部へ入ると、第1回廊、十字回廊、第2回廊、第3回廊と順に見学できます。

 

 

この写真のような立派なレリーフが残っているのは第1回廊。アンコールワットは完成しないまま王朝が滅んでしまった寺院なので、第2回廊にはこのようなレリーフは残っていません。

 

ちなみにこのレリーフは、『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』に出てくる「乳海攪拌神話」という天地創生神話です。

 

めちゃめちゃかいつまんで説明します。

 

神様・阿修羅(悪鬼)『不老不死の薬どうやったらできるんやぁ~』

ヴィシュヌ神(世界の維持神)『みんなで協力して、大海攪拌しまくったらええんやで。そしたら色々出てくるわ』

神様・阿修羅『そしたら巨大な亀の化身に大曼荼羅山乗せて、竜の神様巻き付けて引っ張り合おうぜ~~~』

 

ぐるぐるぐるぐる.....

 

 

というわけで大海を攪拌し続けた結果、このようにたくさんの生き物たちをはじめ、ヴィシュヌ神の妻ラクシュミーや、太陽、月、宝石、家畜などが次々現れ、最後に不老不死の薬アムリタを持ったダンワタリという医の神が姿を現します。

 

ここで欲をかいた阿修羅が戦争を巻き起こし、協力して手に入れたアムリタを神様から奪い取ってしまいます。それを予期していたヴィシュヌ神は、美しい妻ラクシュミ―に化けて阿修羅に近づいて誑かし、この薬を奪い返しました。

 

阿修羅はそれをまた奪い返そうとしますが、それより先に神々がそのアムリタを飲んでしまいます。そこに、神に化けていたラーフという阿修羅が混ざっていて、ラーフもアムリタを口にしました。

 

それに気づいたのは太陽と月。急いで神に告げ口すると、ヴィシュヌ神はラーフの首に円盤を投げつけて、首を飛ばしてしまいました。喉元までしかアムリタを飲めなかったラーフは頭部だけ不死身になってしまい、太陽と月を恨み続けます。そして今でも、時折月と太陽を見つけては飲み込もうとするのですが、首から下がないためすぐに出てきてしまう。これが「日蝕」と「月蝕」だと言われています。

 

どうですか?なんだかおもしろくないですか??

 

 

ただ見て回るよりも、ほんの少しでもレリーフに刻まれた神話を予習していくだけで、物語とリンクさせながら楽しむことができます。第1回廊の東西南北に刻まれた壮大なレリーフ、ぜひ予習こみで楽しんでいただきたいです!

 

 

十字回廊には、身を清めるための沐浴場、左胸を叩いたときの音だけが響き渡る不思議な部屋や、上の写真のような江戸時代の日本人の落書きなどがあります。十字回廊には、お祓いをしたあと手首にお守りを巻いてくれるお坊さんが居るので、私はそこで必ず手首に赤い紐を巻いてもらっています。お坊さんは観光客慣れしていらっしゃるので、靴を脱いで茣蓙にあがり、ドネーションボックスにお賽銭を入れて、左手を差し出して頭を伏せるだけです。作法を知らないので失礼になるのではと、最初のころはスルーしていましたが、「ハイ、アリガト!!」と他の日本人の観光客に挨拶されているのを見てからは自分の中でのハードルが下がりました(笑)

 

中央の一番高い塔は、人数制限があり、ハイシーズンは長い時で1時間程度待つことになります。日陰の無い炎天下で順番待ちをするので、アンコールワットに行くときは水分を多めに持っていくことを強くおすすめします。また、仏日(タガイセル)の日は観光客は入れないようになっていますので、事前にタガイセルを確認してからアンコールワット拝観日を決めるとよいでしょう。

 

 

アンコールワットは「遺跡群」、つまり他にも遺跡がたくさんあります。こちらはアンコールワットに次いで有名な「バイヨン」という寺院です。

 

 

ジャヤヴァルマン7世がチャンパ(今でいうベトナム)に勝利した記念に創建したもので、仏教とヒンドゥー教の融合寺院だそうです。仏塔の四面に掘られた穏やかな微笑みが印象的。

 

 

バイヨン寺院は、アンコールワットの隣にある環濠都市「アンコール・トム」の中にあります。アンコール・トムの見どころは他にもたくさんありますので、像のテラス、ライ王のテラス、南大門なども一緒に回りましょう。 

 

 

こちらはアンコール・トム周辺にある「タ・プロム」という遺跡。こちらもバイヨンと同じくジャヤヴァルマン7世によって創建された仏教寺院です。

 

ガジュマルの木による浸食が激しく、文明と自然の融合が作り出す独特の美しさを楽しめます。「トゥームレイダー」のロケ地にもなった場所です。

 

 

母を弔うために創建されたといわれるタ・プローム、170を超える観世音菩薩の顔が仏塔の四面を囲うバイヨン、どちらも違った魅力があります。

 

アンコールワットで朝日→アンコールワット拝観→市内に戻ってブランチ→アンコールトム(南大門、像のテラス、ライ王のテラス、バイヨン)→タプロム→ランチ、休憩→プノン・バケンかアンコールバルーンから夕陽(自己責任)

 

というのが私のお決まりルート。

 

 

市内からアンコールワットまでの道中、少しより道すると「キリングフィールド」を訪れることも可能です。

 

www.laoko.net

 

カンボジアは、発展途上国。地雷、内戦、貧困、といったイメージは未だ色濃く残っていると思います。(上の記事にざっくり纏めてありますのでご覧ください。)それらを一番感じられるのは首都プノンペンにある「虐殺博物館」と「キリングフィールド」ですが、私は実際足を運んでみて、全ての方におすすめできる場所ではない(気軽に行ける、単なる観光地ではない)と思いました。

 

シェムリアップのキリングフィールドは、最近有料化されたようで、展示スペースも少し増えていましたので、カンボジアの歴史に少し触れるには良い場所だと思います。アンコールワット遺跡群観光と一緒に、いかがでしょうか。

 

遺跡観光は、個人でまわるならトゥクトゥク1日チャーターがおすすめ。朝日から夕日まで全部あわせて15ドル前後が相場です!また、初めてで不安という方や、1回行ったけどよくわからんかったという方は、ぜひ現地のガイドさんつきで観光されることをおすすめします。

 

観光編②プノンクロム

え、いままでので一つやったん?!と書いている本人がびっくりしています。 

 

 

2つめにおすすめしたいのが、プノンクロムという山。東南アジア最大の湖「トンレサップ湖」の近くの山で、その頂上には遺跡があるため、アンコールワットと共通の遺跡入場券が必要です。

 

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崖を自由に行き来する山羊さんと一緒に山頂を目指すと...

 

 

遺跡の奥にある崖を少し下ると、このような開けた景色が!

 

観光客は殆ど居ません。私たちみたいに、ふらっとやってくる少人数の外国人か。地元の人たちがちらほらいる程度です。

 

夕日スポットといえばアンコール遺跡群のプノン・バケンや、ロリュオス遺跡群のバコンが有名ですが、どちらも人がたくさん居るので、私は自分の時間が過ごせるこのプノンクロムが大好きです。

 

 

ここで見る夕焼け、ここで過ごす時間は至高です。

 

これは12月28日に撮影したものなので、乾季真っただ中。綺麗な夕焼けが見れました。

 

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そしてこちらの写真をご覧ください。

 

実はこれ、全く同じ場所から撮ったもの。

 

雨季になるとトンレサップ湖は3倍にも広がるんだそうで、先ほどの写真で田んぼになっていた部分は、こんな景色へと変化するのです。どちらも甲乙つけがたい美しさ!

 

季節によって稲作をしたり、水上生活をしたりと、ここで自然とともに生きるひとたちの逞しさが感じられます。

 

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 プノンクロムは、日中の拝観にはアンコールワットと共通の遺跡入場券が必要になります。同じ入場券で入れるロリュオス遺跡群を午前中にまわって、午後にトンレサップ湖の村めぐり、そのままプノンクロムに行くというのが、チケットのもったいなくない使い方でしょうか。

 

日没まで居ると帰り道が真っ暗になりますし、夕日スポットは何もない崖になっていて大変危ないので、複数人で行くことをおすすめします!

 

観光編その③IKTT 

 

note.com

 

数か月前に、noteに書かせていただいたクメール伝統織物研究所。森本喜久男さんという方が「伝統の森・再生計画」として、ラオスに伝わる伝統の絹織物の復興と発展のためにつくられたのが、「伝統の森」です。

 

シェムリアップ郊外にあり、田舎の風景を楽しみながらトゥクトゥクで片道40分ほどで行ける場所です。

 

 

この村を作られた森本さんについては、noteで触れているので省略しますが、布に興味があってもなくても、この村は本当に本当におすすめの場所です。

 

伝統とは。手仕事とは。本物とは。

 

自分の中にある哲学を、人生をかけて体現されたこの場所では、今も変わらず、むしろ前よりも更に、素晴らしい布が織られていました。

 

 

「100%シルク」って簡単に言うけれど、それがどんなに途方もないことなのか、わたしはこの場所に来るまで知りませんでした。

 

小さい頃に一度つれて行ってもらった藍染の工房で、藍の独特なにおい(その後、新品の剣道の防具を身に着けたときのデジャブといったら・・・)と生まれて初めて見る真っ白な繭玉の中から虫が出てきてびっくりしたのを今でも覚えています。

 

あの時は自分が織物に少しでも関わるなんて考えてもみなかったなあ。

 

森本さんの、「土から布を創る」という考え方は、これからのラオスにも必要になるのではないか、と思っています。それは単にブランディングの話だけでなく、お蚕が住める場所はどんな所かとか、それが減っていくって今どういう状況に居るんだろうかとか、周辺国から仕入れた安い糸を染めて単価を安くすることが自分たちの創造したいラオスの伝統織物の未来なんだろうかとか、そういうことも包括的に考えた結果がその一言に詰まっていると私は感じたからです。(きっと、もっともっといろいろな意味があるのでしょうが、私には見えていない世界がまだまだ多すぎて気づき切れません)

 

 

www.iktt.org

 

森では、作業工程を実際に見せていただけるほか、自分で持ち込んだ布製品やハンカチの天然染色もできます!ゲストハウスで宿泊も可能です。

 

本当の本当の本当におすすめの場所です。ぜひ。 

 

 

森に行く途中、こんなお鍋がたくさん並んでいるのを見つけたら、ちょっと休憩がてら覗いてみてください。

 

 

作っているのはヤシ砂糖。ヤシの花蜜をこんな風に竹筒で受けて、煮詰めたものです。他の部分から樹液を集めて作られるものがありますが、カンボジアはこの方法が主流だそうです。

 

未精製のお砂糖はミネラル豊富で甘さもまろやか。ブラウンシュガーよりもマイルドなかんじがします。精製された上白糖やグラニュー糖に比べてGI値が上がりにくいようで、スーパーフードとしても注目されています。

 

煮物を作るときなんかに入れると、精製されていないお砂糖独特のコクが加わって深みが増します。

 

 

こんな風にタブレット状にしたものを試食でくれます。しゃくしゃく、ほろほろと楽しい食感で、このままおやつにしてしまいたい。(危険)

 

ここまで水分を飛ばしていないペースト状のものや、水分を飛ばし切ったあとに普通のお砂糖みたいに粉末状にしたものなど、いろんなタイプが売っています。私はこのタブレット状のものをいつもお土産に買っています。30個ほどで1ドル。安すぎか!

 

 

IKTTの近くにはバンテアイスレイ、別名東洋のモナリザとも呼ばれる美しい遺跡もありますが、今回わたしたちは地雷博物館を選びました。

 

 

何度か訪れていますが、展示が毎回来るたびにすこしずつよくなっているので、何度来ても勉強になります。

 

 

1年半前にプノンペンのキリングフィールドと虐殺博物館を訪れて「生」の情報を取り入れてからここに来ると、今までとはまたすこし違うものとして私の目に映ったような気がします。

 

「地雷の博物館」と比喩されるぐらいにたくさんの数・種類の地雷が埋設された国、カンボジア。何個撤去できたかではなく、本当に安全な土地になったかが大切で、まだまだ危険に晒されている場所があることも事実です。

 

www.laoko.net

 

まだ「歴史」と呼ぶには早い、カンボジアやラオスのここ数十年で起きたことを知るには、こういった施設を訪れるのが一番だと思います。観光で行くなら楽しいことだけするもよし、ですが、こういう施設で少し勉強してみるのも有意義な時間だと思っています!ぜひ、訪れてみてください。

 

まとめ・・・られてない

というわけで、観光編のおすすめスポットを思いつくままに書いてみました!

 

3か所って言ったやつ、誰だ!っていうぐらい、長ったらしくあちこちのことを書きましたが、まず観光編はこれで〆たいと思います。

 

書きたい事多すぎるんです、カンボジア好きなんだもの、仕方ありませんね。

 

シェムリアップでの食事編、シェムリアップからバンコクへの陸路移動、バンコク滞在、アユタヤ観光、バンコクからビエンチャンまでの寝台列車移動、ビザのいざこざなど、力尽きるまでまだまだ書いていきます!!多分途中でやめます!!!!

 

お楽しみに!!